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パイロットが知っておくべき霧の種類

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比較的低高度を飛行することの多いヘリコプターにとって、霧はよく視程障害の原因になります。

霧にはその発生原因によっていくつか種類があります。

どのような場所や条件で霧ができやすいのか、それぞれの霧の発生原因や性質について解説していきます。

霧についての知識をつけてその発生を予測できれば、飛行中に予期しない視程障害に陥る可能性を下げることができます。

目次

霧とは?

そもそも霧とはなんなのでしょうか?

気象庁では霧を以下のように定義しています。

霧とは

微小な浮遊水滴により視程が1km未満の状態。

ついでに「もや」についても見てみると、「微小な浮遊水滴や湿った微粒子により視程が1km以上、10km未満となっている状態。」となっています。

その性質は変わりませんが、視程が1kmあるかどうかで霧かもやかが決まるようですね。

また雲と霧との違いは地表や水面に接しているかどうかです。

地表や水面に接していなければそれは雲と言います。

霧の基本的な発生原因

霧が発生する基本的な原因は「空気の冷却」「水蒸気の供給」の2つです。

空気が含むことができる水蒸気の量には限界(飽和状態)があり、この限界に達してしまうと液体(霧)になります。

水蒸気の量は空気の温度が高いほど多く含むことができますが、温度が下がるとその量は少なくなり霧が発生します。

また空気が同じ温度だとしても、水蒸気の量が増え飽和状態になると霧が発生します。

「空気の冷却」と「水蒸気の供給」が同時に起きると急速に霧が発生します。

霧の基本的な発生原因について理解したところで、霧の種類についてみていきましょう。

放射霧(Radiation Fog)

晴れて風の弱い夜は放射冷却によって、地面から宇宙に向かって多くの熱が放出されます。

これにより地表の温度は急激に下がり、それに伴って地表付近の空気が露点温度以下まで冷やされて飽和状態になると霧が発生します。

陸上であればどこでも発生する可能性はありますが、特に空気の入れ替わりが少ない盆地や谷でできやすい傾向があります。

「雲海」と言っているのはこの放射霧のことです。

曇りの時は雲が布団のような役割をし、放射冷却が抑制されるため霧は発生しにくいです。

また強い風が吹いている場合も上空の空気と混ざるため霧は発生しにくいと言われています。

放射霧の発生は夜間から朝方に多く、日射があればその気温上昇で大抵の場合は午前中に消散してしまいます。

放射冷却により発生する霧なので「放射霧」と呼ばれます。

放射霧にはその発生場所によって様々な呼び方があるのであわせて覚えておきましょう。

地霧(Ground Fog)

地面に接している空気が放射冷却によって冷やされて発生する霧で高さが20ft以下のもを表します。

霧としては濃くないため、日射によって急速に消散する。

谷霧(Valley Fog)

日没後に山頂や山の斜面の放射冷却によって空気が冷えて重くなり、それが谷に流れ込みます。

そしてその空気が谷でさらに放射冷却を受けることによって発生する霧のことを言います。

強い放射冷却を受けるため非常に濃い霧ができやすくなります。

盆地霧(Basin Fog)

谷霧と発生要因はだいたい同じで、冷たい空気が溜めることによって濃い霧が盆地に発生します。

日本では全国各地に盆地霧の有名スポットがあり、それを売りにしている地域も多いです。

有名どころでは、京都府の亀岡市や広島県の三次市などが有名ですね。

濃い霧が盆地全体に広がっているので幻想的な景色が見られます。

逆転霧(Inversion Fog)

逆転層の下にできた層雲の雲底が下がることにより、地表に達して霧となったものを逆転霧と言います。

層雲の上部が放射冷却によって冷やされることによって雲の下の空気温度が下がり飽和状態となって霧が発生します。

氷霧(Ice Fog)

極寒の土地では空気が昇華して氷晶になり霧を形成することがあります。

気温が−30℃以下で発生するため、極地方ではよく見られる現象のようです。

氷霧は他の霧と比べて粒子が大きいため視程が著しく悪くなる特徴があります。

移流霧(Advection Fog)

移流霧も放射霧と同じで温度の低下が発生要因になります。

暖かく湿った空気が冷たい地表面や水面の上に移流して冷やされ霧を発生させます。

放射霧とは違い、曇りの日や風が強い日でも発生することがあります。

また移流霧は昼夜を問わず発生し、地表付近の風に流されて急に現れることがあります。

そして放射霧よりも長く居座ることが多く、航空機の運航へ影響を及ぼします。

海霧

海にできる霧を「海霧(かいむ)」と言います。

海霧の多くは移流霧ですが、そうでない場合は蒸気霧(後述)です。

暖流上の温かく湿った空気が寒流の上に流れ込み冷やされることで発生し、風によって内陸部に運ばれます。

海霧は海水温が気温に比べて低い春から夏にかけて発生しやすいと言われています。

日本では北海道の根室沖や釧路沖、また東北の三陸沖などで初夏の頃によく発生し、VFRで飛行するヘリコプター泣かせの時期です。

これは親潮(寒流)の上に黒潮(暖流)からの温暖湿潤な空気が流れ込むことで海霧が発生しています。

同じようにアメリカの西海岸でも良く海霧が発生し、その中でもサンフランシスコは霧の街としても有名で夏の時期には毎日のように霧が発生します。

名所のゴールデンゲートブリッジも霧があるとより一層存在感が増しますね。

滑昇霧(Upslope Fog)

多湿で安定した空気が風に運ばれて山の斜面を登っていくことによって断熱膨張し気温が下がり、発生する霧を滑昇霧と言います。

地形によって空気が強制的に上昇して冷却されることによって飽和状態になり霧が発生します。

山の斜面をのぼる方向に風が吹いていなければ発生することはありません。

蒸気霧(Stream Fog)

暖かい水面上に冷たい空気が来ると、水面上の暖かい空気と冷たい空気が混合し飽和状態となり発生する霧を蒸気霧と言います。

水面からの水蒸気の供給と冷たい空気と混ざることによる温度の低下によって飽和状態になります。

温泉の湯煙や、熱い食べ物や飲み物から出る湯気も蒸気霧と言えます。

また寒い日に息を吐くと白くなりますがこれも仕組みは蒸気霧と同じです。

降水霧(Precipitation Fog)

冷たい空気の中に暖かい雨が降ることによって、空気中の水蒸気量が増えて露点温度が上昇し飽和状態になって霧が発生します。

前線付近で起きることから前線霧(Front Fog)とも言います。

最も多いのは温暖前線ですが、寒冷前線や停滞前線でも移動速度が遅い場合は発生することがあります。

この霧は雨が降る限り消散することはないので視程の回復を見込むことは難しいです。

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