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空にも速度制限はあるんです。

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車の運転で最も気になるのは「速度制限」ですよね。

もちろん私は守っていますし、皆さんもそうだと思います。

陸の世界では一般道だと40km/h、50km/h、60km/hなどですよね。高速道路でも80km/hや100km/h、一部区間では120km/hなんてのもあり道路や区間によって制限速度は様々です。

速度に違いはありますが「制限速度」のない道路は残念ながら日本にはありません。

有名なドイツのアウトバーンなんかでは一部、速度制限がない区間がありますよね。一度は走ってみたいですね。

陸に速度制限があれば空にもあるはずですよね。

今回は空の「速度制限」について取り上げます。

目次

結論:空にも速度制限はある

まず結論から言いますと、空にも速度制限はあります。

やはり円滑で安全な航空交通を維持するためには速度制限は必要になる部分もあります。

しかし、すべての空で速度制限があるわけではありません。

一部の空域では速度制限が設けられていますが、それ以外の空域のほとんどは速度制限はないんですね。

航空法および航空法施行規則には以下のように定められています。

(航空交通管制圏等における速度の制限)

航空法 第八十二条の二 航空機は、左に掲げる空域においては、国土交通省令で定める速度をこえる速度で飛行してはならない。ただし、国土交通大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。

 航空交通管制圏

 第九十六条第三項第四号に規定する進入管制区のうち航空交通管制圏に接続する部分の国土交通大臣が告示で指定する空域(10000ft以下)

(航空交通管制圏等における速度の制限)

航空法施行規則 第百七十九条 法第八十二条の二の国土交通省令で定める速度は、指示対気速度二百五十ノットとする。

 前項の規定にかかわらず、自衛隊の使用する航空機であつて同項に規定する速度を超えて飛行することがやむを得ないと認めて国土交通大臣が指定した型式の航空機に係る法第八十二条の二の国土交通省令で定める速度は、国土交通大臣が定める速度とする。ただし、他の航空機の安全に支障を及ぼすおそれがあるときは、この限りでない。

 前二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる航空機に係る法第八十二条の二の国土交通省令で定める速度は、当該各号に掲げる速度とする。

 法第九十六条第一項の規定により国土交通大臣から前二項に規定する速度を超える速度で飛行することを指示された航空機 当該指示に係る速度

 航行の安全上やむを得ないと認められる事由により前二項に規定する速度を超える速度で飛行する必要のある航空機 当該航空機が安全に飛行するために必要と認められる適切な速度

航空法、航空法施行規則

空の速度制限は一律250kt(463km/h)

空では一律250ktです。これは時速に換算すると463km/hです。

速度の値だけでみると速いような気がしますが、空の広さや航空機の性能、地上に比べた交通量の少なさを考えると妥当かなと思います。

以前は航空交通管制圏に関してはピストン機160kt、タービン機200ktと何故かエンジンの種類によって制限速度が違っていましたが、改正されました。

陸のように場所によって速度制限の値が変わるようなことはなく、空で速度制限のあるところは一律「250kt」なので非常に覚えやすいですね。

速度制限がある空域

航空法の抜粋のところでもありましたが、速度制限のある空域をまとめると以下のようになります。

速度制限のある空域

・航空交通管制圏

・10000ft以下の進入管制区

離着陸する航空機が多く集まる空域に速度制限が設けられています。

逆に考えて、速度制限がない空域はというと、

速度制限がない空域

・10000ft超の全空域

・10000ft以下の進入管制区以外の空域

・洋上管制区

・クラスGの空域

こう見ると速度制限がない空域の方が圧倒的に多いですよね。空は広いですからね。

空に速度制限がある理由

空に速度制限が設定されたのは円滑で安全な航空交通の管理をするためです。

航空交通管制圏や10000ft以下の進入管制区は離着陸する航空機が多く集まる場所です。

広大な空の中でも比較的交通量の多い場所で、著しく速度が異なる航空機が飛行していると管制する側は大変です。

速度制限を設けることで航空機の速度帯を一定の範囲に収めることができ管制しやすくなるんですね。

もちろん、航空機が輻輳する空域なので衝突防止といった理由もあると思います。

日本とICAOの違い

日本の速度制限
AIM-jより抜粋
ICAO Annex11-Air Traffic Service

250kt以下と10000ft以下という数値的な部分は同じですね。

よく見てみるとICAOの方はクラスGの空域でも速度制限が設けられています。

速度制限はヘリコプターには関係ない!?

この「250kt」という速度制限ですが、実はヘリコプターには関係の無い話なんです。

というのも悲しいことにヘリコプターは250ktも出ないんですね。

機体の上をメインローターが高速で回転しているので、機体自体の速度はそれ以上速くできないんです。

世界中で多く使われてるAS350(H125)だと巡航で120kt(222km/h)最大速度は155kt(287km/h)です。

比較的「速いヘリコプター」とされているAW139でも最大速度は167kt(310km/h)です。

どんだけ頑張っても速度制限を超えることはできないんですね。

その前に後退翼の失速に陥ってしまいます。

実験機ではありますが、現時点で実在する世界最速のヘリコプターに「X3」という機体があります。

これはユーロコプター(現:エアバスヘリコプターズ)が開発した複合ヘリコプターでヘリコプターに牽引式の2つのプロペラをつけたなんとも不気味な機体です。

X3
出典:AIRBUS

この機体は2013年に水平飛行で255kt(472km/h)を記録しました。

X3を使えばヘリコプターでも速度制限を超えられそうですね。

まとめ

空の速度制限について解説しました。

空の速度制限まとめ

速度制限は一律250kt(463km/h)

速度制限がある空域(航空交通が輻輳する空域)
・航空交通管制圏
・10000ft以下の進入管制区

速度制限は円滑で安全な航空交通を維持するために設けられている

残念ながらヘリコプターには関係ない話(X3に乗る人は気をつけましょう)

ヘリコプターパイロットは覚えなくても問題ないですね。

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